20051010

サバイバルレース(24h)「長谷川恒男CUP」
第13回日本山岳耐久レース
東京都西多摩郡奥多摩全山
奥多摩全山(71.5q)
出走者数 2018名/完走者数 1111名/完走率55%

10/9の天気は小雨、気温18度、湿度85%
三頭山の天気は小雨、気温8.9度、湿度99%



郷 亜紀子 女子年代別6位入賞だっ!おめでとう!!

泥まみれ・ぬかるみに足を取られ掴んだものは大きいぞ〜
              横浜中央走友会/郷亜紀子

去年エントリーしていたのですが、捻挫で出なかった日本山岳耐久レース。
今年は絶対に出るぞと思っていたので、雨の中会場入りしました。体調は背筋痛と腹痛が前日からひどく、日頃飲まない薬を飲んでのレース。
泥んこと、ナイトラン、不慣れな厳しいレースになるだろうというのは覚悟の上。なるだけ明るい内に先に進もうとだけ思っていました。

エントリー数は過去最高の2000人以上とか。石川弘樹さんもどきな、トレイルランナーが沢山います。受付時に水2リットル、行動食、ヘッドランプ、雨具のチェックがあります。でも厳しいチェックではありません。その品がどんなものであれ、そこにあれば良いといった感じ。あくまで自己責任なのでしょう。私はリュックとウエストポーチ、行動食にはパワーバー、パワージェル、アミノバイタルプロ、ゼリー飲料、飴、チョコ、干し梅を持ちました。ライトはヘッドライトと、LEDのミニライト(腰に付けれる小さなモノ)。雨具兼防寒具になるもの。あとは薬。予備の電池。

スタートから混雑でした。けっこう皆、出だしから飛ばす人が多かったです。走ると暑くなるので、スタート時点で雨具は着ませんでした。本部スタートから広徳寺というお寺を過ぎると坂があり山道に入ります。170mから入山峠600mを経て第一関門浅間峠860mまで山を3つ越えます。北丹沢と違って細かい登り下り。けっこう慣れない感じで走りました。雨は一向に止まずですが、まだ明るいというのもあって走れます。でももうこの時点でぬかるみは当たり前。でもまだ転んだりはしなかったと思います。
第一関門までで22.6キロ。

ここから暗くなってきました。道導は間隔ごとに赤ランプでわかるようになっているので、人がいなくても迷子になる心配はなさそうです。けっこう疲れも感じつつ、なるだけぎりぎりまでランプを付けずにいました。そして、いざ付けて走ってみると、夜霧がひどくて全然視界が利きません。これにはずっと悩まされる事になりました。腰にあるライトだけでは足元がおぼつかなくて、これで一気にペースダウン。どんどん人に抜かされました。よく見ると速い人はヘッドライト+懐中電灯を手に持ち、これから走る道を照らしながら走っています。日本山岳完走者の方からは、懐中電灯の事は聞いていなかったけど、確かに前方をはっきり照らした方が確実に走れます。一度地元の円海山でナイトランを事前にやってみたのですが、その時はヘッドライトでも平気でした。仕方ないので、ヘッドライトを頭ではなく手に持って、足元を照らしながら走る事に切り替えました。
一番標高のある三頭山1527mまで、普段は登りが得意な私ですが、本当に辛かったです。背筋痛と腰痛で体幹に力が入らず、上体が使えないのが致命的でした。もう真っ暗闇で登る最中に下を見ると、明かりがぽつんぽつんと闇に浮かんでいて、それでああ、人が来てるんだなぁとわかる位。漆黒というのを初めて知りました。
三頭山頂上に走り屋で日頃からお世話になっている人と会いました。大福を頂き、しばし休憩です。その人は日曜の午後から仕事なので、ここからゆっくり一緒に行こうと下りで引っ張ってくれました。でもかなり気持ちが切れていた私にとって、下りも辛くて辛くて待っていてもらう事が度々で申し訳なかったです。でもここを下れば第2関門の月夜見山までもうすぐ。とりあえずそこまでは頑張ろうと思いました。日本山岳はリタイアするのも大変です。できれば人や車のある関門などにしないと、自力で下山しなければいけないから。

月夜見山手前でもう一人の走り屋のメンバーが来ました。彼は過去3回完走しています。月夜見山で、久しぶりに明るい光と人の声を聞きホッとしました。1147m、42.09キロです。ここでは水の補給ができます。でもしっかり量が決まっていて、1.5リットルしかもらえません。でもコース上には湧き水があるので、最悪空になっても大丈夫。
相変わらず時計を着けずに来てしまったので、時間の感覚がわかりませんでした。ただ夜霧がすごくて寒くなってきたので、ここで雨具を着る事にしました。リタイアも頭をよぎりましたが、奥武蔵の教訓を生かして、歩いてでもいいから行こうと決めます。あと30キロを思うと、先が長いなぁと感じました。ここで走り屋の人と別れて、一人で行く事にしました。自分のペースで行かないと、どうなるかわからないと思ったからです。

ここからまた登りが始まります。御前山1405mまで登り、大ダワまで行く途中から転倒が始まりました。疲れと人が通った後のひどいぬかるみで、もうどうしようもない状態。つるつるとした下りは天然の滑り台。こういう時はストックがあったら便利だと思いました。使ってる人もけっこういました。ここでアクシデントの発生。転んだ拍子に手に持っていたヘッドライトが壊れたのた、ライトが付かなくなってしまいました。困っていたら、見かねた方が自分の懐中電灯を貸してくれました。自分はなくても平気だから、と。これには涙が出るホド嬉しかったです。
これで頑張ろうと思った矢先、また転倒に次ぐ転倒で、大ダワの一歩手前で今度は借りた懐中電灯が付かなくなり、ミニライトだけの状態に。一応予備の単3電池2本はあったのですが、壊れているのか、電池が切れたのか、その場では判断できず、歩いて大ダワまで恐る恐るの思いで到着。

大ダワもリタイアするには最適の場所です。スタッフの人に見てもらったら、懐中電灯は豆電球がアウトとの事。電球の予備はありません。これはもうリタイアするしかないかもと、ここまで来てという思いで半泣きの気持ちでしたが、万が一かもとヘッドライトの電池を予備のと交換。初めはやっぱり付かなくて、ああもうダメだと思いましたが、リタイアしたくないという気持ちで入れ替えあーだこーだしてたら、奇跡的にライトが点灯。
スタッフの方も一緒に喜んでくれました。
すでに泥んこ雨まみれで、でも行こうとする私に、こんな大会にねぇ、偉いねぇとスタッフの方も呆れ顔。でもこの時点では絶対意地でも完走するんだという気持ちに変わっていました。まだ時間はあるみたいだから、歩いてでも絶対完走できると信じてました。
ライトは付いたのですが、走っている途中何度も突然付かなくなったりして焦りました。でもこんな状態が、結局ゴールまでずっと続きました。

大岳山、ここは絶対完走の気持ちだから行けたのだと思いますが、一番岩場が多く、一番悪路で神経を使ったのはこの山でした。転んだのもまた多かったです。登りは手で這い上がらないと登れない岩場で、下りは鎖場や鉄階段、天然の滑り台状態です。ここからはすべて後続のランナーに道を譲りました。

御嶽山の看板が見えた時から、ようやくゴールが見えてきて、少し元気になりました。御嶽は私が初めて山岳レースに出た思い出深い山。通るのは知っていたし暗くても、何となくレースで通った道はわかりました。神社が見えた時はこれで完走はできると思いました。第三関門、58キロです。

あとはだいたい下りです。暗さもぬかるみももう感覚が麻痺してるのか、転倒も何も気にならなくなって、ゴールしたいという一心だけで走ってました。第3関門からはほぼ一人ラン。道標の赤ランプだけをたよりにバシャバシャ音をたてながら。でもこっからがまた長かった。かすかにバイクの音が遠くから聞こえたりしてたけど。
御嶽から頑張って走りましたが、あと5キロという垂れ幕あたりから、いよいよもうダメでそこからはほぼ歩きになってしまいました。行けども行けどもまだ明るくならないし、下界も見えない。流石に心細くもなりました。
下界の明かりが見え始めた時はちよっと泣きそうになりました。でもとてもじゃないけど頑張りがきかなかったです。近くなり始めても、ずっと歩きました。
コンクリートの道に下りた時は、少し明るくなりつつありました。誘導の人が見えて、思ったのがもう山道を走らずにすむんだという事でした。
何とか無事に完走、背中から後ろは泥を塗りたくった状態。長く辛いレースが終わりました。

あんなにもうこんなレースは嫌だと何度も何度も思ったのに、ゴールしてすぐ来年もまたやるぞと決めました。神経を使った夜間走行ももう一度やりたいと思いました。すごく不思議な事に、今もその気持ちに変わりはないです。今年の経験を生かして、来年はもっと楽にゴールしたい。そういう思いが強いです。真っ暗闇の中て見た景色は、今でも忘れられません。時折ふと、懐かしく思う位です。

こうして書いてみると、いかにヘタれた大会だったかを痛感しています。でも仲間やスタッフ、同士の皆様のおかげで完走できた事をただ感謝するばかりです。日本山岳は装備や体調が長いレースなだけに、肝心となってきます。
来年は横中の皆様とチームを組んで走れるのが楽しみ。
それまでにはもっと山で強くなるべくパワーアップしたいと思っています。
関門/Goal 総合順位 通過時間
22.66q地点 第1関門 =浅間峠= 232/1902 3:45:34
42.09q地点  第2関門 =月夜見山第2駐車場= 278/1290 8:45:38
58q地点 第3関門 =長尾平= 346/1113 13:57:50
71.5kmGoal Goal =五日市中学校= 345/1111 16:31:30